中国・ロシアに代表される独裁国家において、
「粛清(反対派を、追放・逮捕・暗殺などすること)」がはびこる理由を解説します。
独裁国家で「粛清」がひんぱんになされる理由
「反対派」を体制上から追放することで、独裁者の権力基盤を強固にするため
「反対派」は最優先で粛清される
- 反対派は、その主張内容から、「将来的に独裁者に反旗をひるがえす可能性が高いこと」が明らかであるため、まっさきに粛清される
独裁者の政治方針とは異なる人物達も、粛清の対象になりやすい
- 「独裁者の政治方針とは異なる人物達」は、
将来的に独裁者の政敵になったり、方向性が似ている者同士で大きな派閥を形成して独裁者に対抗しようとする可能性があるため、粛清の対象になりやすい
「有能な後進者」も、粛清の対象になりやすい
- 優れた才覚を持っていて頭角を現す人物は、将来的に独裁者の地位をおびやかすほどに大きな影響力をもつ可能性が高いため、粛清されやすい
「独裁者に反抗的な一般市民達」も粛清される
- 反政府デモのような独裁者にとって不都合な行為をする一般市民達は、
「逮捕」「拘束」「収容施設へ送られた後に再教育(独裁者に賛同するようになるまで出られない)」といった措置になりやすい
独裁者が「粛清」を連鎖させたことに必ずともなう弊害
独裁者の周りがイエスマンばかりになり、そのことが独裁者の判断を誤らせることが多くなる
- 粛清が繰り返された結果、周りの人間は、独裁者に媚びへつらう「イエスマン(何を言われても「はい、はい」と目上の人の言葉に無批判に賛成する者)」しか残らなくなる
- このせいで「勝算ゼロの、無謀な侵攻に出てしまう」「国内で起きている、深刻な問題が独裁者の耳に届かなくなる(独裁者の不興を買うことが怖いので、わざと報告しない)」といった現象が高確率で実現するようになる
これまで強硬姿勢を取り続けてきたせいで、もう後には退けなくなる
- 「反対派」「有能な人材」などを粛清し続けてきたので、
もしも独裁者自身が弱みを見せたり大きなヘマをしてしまうと、さんざん恨みを買ってきたので独裁者が暗殺・拘束などの対象になりやすくなる- この事情により、必然的に独裁者は常に強硬姿勢を維持せざるを得ず、そのことが失政や他国への侵攻といった自滅行為を招きやすくなる
国内に、優秀な人材がいなくなってしまう
- 有能であったために、地位を奪われることを危惧した独裁者に粛清された人達
- 国を良くしようとしても独裁者に粛清されてしまうため、賢くて先見の明がある人ほど国外脱出していくこと
- 上記のような人達・事情が重なり、国内から優秀な人材がどんどん消えていくことになる
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