給料激高&死亡率激高の「ベーリング海でのカニ漁」。極寒でしかも超荒波の中で昼夜を問わずに20時間以上の長時間の重労働をするので、ちょっとしたミスで海へ放り出されて数秒で凍死か溺死…という恐すぎる仕事です。
ベーリング海のカニ漁の事情を調査したので、解説します。
耳を疑う、ベーリング海のカニ漁の常識
そこに居合わせてしまった船員は海へと放り出されて死ぬ。
サバイバル・スーツを着ていない船員は4秒後に凍死もしくは溺死。
船員は命づなをつけることができない。
接触すると大けがを負ったり死亡する。
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睡眠不足と疲労と死への恐怖で精神が壊れる船員も多い。
重度の船酔いをわずらったり、感覚と精神がおかしくなる船員が続出。
命に関わるほどの重傷を負って、船上で治療を受けられずに死んでも、全て「自己責任」として処理される。
残った船員達のお金の取り分が増えるのでむしろ好都合と考える船員もいるらしい。
船員が当たり前に死亡する。
もう極限環境すぎ…人間が一瞬で死ぬ「ベーリング海」
- ベーリング海の位置は、太平洋の最北部で、アリューシャン列島の北に広がる海域
- 気温は氷点下
- 時速26kmを超える強風が吹き荒れている。体感温度はマイナス30℃に達する。
- 4階建てビルの高さに相当する高波が発生し続けている
- オホーツク海や千島列島付近で発達した低気圧が、さらに発達しながらベーリング海に到達するので、ベーリング海は常にとんでもない悪天候。
この状況は「低気圧の墓場」と呼ばれ、上記のような強風と大波が発生し続ける原因となる。 - 船に付いた海水が凍り続けて、そのままでは氷の重さで船が転覆するので、厚い氷を大型ハンマーで定期的に砕いて船から落とさなければならない
- 海に浮かぶ流氷にぶつかって船底に大穴が空き、沈没することもある。流氷の群れに囲まれて立ち往生することもある。
40日間の労働で1500万円を稼ぐことも可能なカニ漁
ベーリング海での解禁期間は、たったの40日。カニの乱獲を防ぐために、アメリカの法律で期間が短く設定されています。
しかし、ベーリング海で採れる上質のカニは高額で買い取られ、しかも多量に採れるため、運良く大漁の場合は船員の一人当たりの取り分は1500万円にもなり、平均でも500万円に達します。
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わずか40日の労働でこれだけの大金を稼げるのはとても魅力的ですが、その大きなリターン相応の極めて大きなリスクがベーリング海でのカニ漁にはあるのです。
日本のブラック企業環境をはるかに超越した作業環境
- カニが捕れるとおぼしき場所まで船で移動(船長のこれまでのカニ漁経験と勘をもとに決定される)↓
- カニを罠に誘い込むためのエサを用意し、それを200個のカニかご(かごの重量は1個あたり500kg)にセットする↓
- カニかごを全て海中に沈める。沈める水深は122メートル付近↓
- 24時間経ったら、カニかごを引き上げて、かかったカニを回収
カニ漁の解禁期間がわずか40日と短いため、一度港を出たら、そのままずっと海上でカニ漁を続けることになります。
船上でけが人が出ても、そのためにいちいち港に戻っていては漁のための時間がどんどん無駄になってしまうので、怪我をしても自分で治療処置をしなくてはなりません。
海に沈めたカニかごを引き上げてカニを回収する作業では、20時間以上の長時間労働を強いられるので、長時間の作業での疲労により注意力が散漫になり、船上をさらう波のせいで海へ放り出されて死ぬ船員や、船上を移動する500kgのカニかごに押しつぶされて死ぬ船員も出てきます。
カニは寒い海で大きく育つ
カニが寒い海(ベーリング海)でよく育つ理由
- オホーツク海から「流氷」がベーリング海へと流れ込んでくる↓
- 流氷によって海が冷やされると、海藻や植物プランクトンが「光合成」を行うために海の表層へと上ってくる↓
- 海の表層がプランクトンだらけになる。プランクトンはカニのエサとなり、カニが大きく育つようになる。
- 流氷が海底を通ることで不要な海藻がそぎ取られ、小さな海中生物がエサにするコンブにも栄養が行き渡るようになる。
小さな海中生物をエサにするカニは、たくさんのエサを食べて大きく育つようになる。
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ベーリング海で採れたカニは身が引き締まっていて美味しく、日本では1杯数万円で取引される高級カニである。
ケガニ
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寒海性の食用ガニ。北海道沿岸やベーリング海、アラスカなどで採れる。
「ケガニ」、「タラバガニ」、「ズワイガニ」の3種が、日本では「3大カニ」と呼ばれ、人気を博している。
ズワイガニ
冬に水揚げされる食用カニ。日本海沿岸、ベーリング海、アラスカの海などに生息する。
ズワイガニの身はカニ本来の正統的な味をしていて、甘みが強く繊細な味。3大カニの1つとして人気が高い。
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