現在、社会でソーシャルゲームが流行している各種の理由が、現代社会が抱えている複数の闇とリンクしている現象について調査したので分かったことを報告します。
現代社会のあれこれの闇を感じさせる、ソシャゲ流行の各種原因
仕事が忙しすぎて、もはやお手軽ゲームしか遊べない
東大出の電通社員が過労死した問題を受けて、あらためて日本の労働環境のブラック具合が浮き彫りになってきている。通常業務に加えて、残業・サービス残業までも含めると、1日12時間程度働かされる会社員は特に珍しくもないという惨状だ。
出勤前のちょっとした空き時間や、帰宅中の電車内でしかソシャゲをいじることが許されず、そういったすき間時間を埋めるための手段としてまんまとソシャゲを掴まされてしまっている現状も、過労社会の闇を感じさせる。
ソシャゲのようなお手軽ゲームしかやる気が起きない状況
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据え置き型ゲームが売りにする重厚なストーリーと広大なフィールドや美麗なムービーより、ぽちぽちゲーと馬鹿にされるお手軽なソシャゲの方が好まれるのが現代。実際、ソシャゲ市場は近年膨張し続けているのに、コンシューマーゲーム市場は近年縮小傾向にある。
「複雑で丁寧なモノより、簡単で即席なモノが良い!」という需要傾向は、人々の想像力を減退させることにつながってしまう。
そして、この頭を使わずに楽しめるインスタントな娯楽を求める傾向は、「特別な事件が全く起きない、日常系作品の大流行」→「日常系の亜種のような、飯漫画の流行」のような、漫画・アニメ分野にも広がりを見せている。
大金を払ってでも他者より優位に立って見下したいという強烈な承認欲求
ソシャゲでは、課金さえすれば、ガチャでレアカードを引きやすくなったり、消耗したスタミナを課金して買った魔法石で瞬時に全回復できたりと、無課金ユーザーよりも簡単に優位に立つ事ができるようになる。
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格差社会化が進行し、日の目を見る事ができない人生を歩む人達は、他者に承認されること、脚光を浴びることに餓えている。
課金してガチャを引きまくり、レアカード・レアアイテムを手にして無課金ユーザー達を一方的に叩きのめして良い気分になるのは、満たされない承認欲求を抱えている現代人の性質が、ソシャゲ運営会社側に上手く利用されていると言える。
ソシャゲが、次世代のパチンコとなる
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街を歩いていてパチンコ店の前を通りかかれば、何年も前から「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」「化物語」「魔法少女まどか☆マギカ」のような人気アニメとコラボしたパチンコ台の看板が店先に設置してあるのに気付くだろう。
深夜アニメのクオリティーアップにともない、アニメが市民権を得た現代では、パチンコやコンビニ商品と、人気アニメ作品が組み合わさる事が普通となってきた。もはや、アニメオタクは少数派ではなくなりつつある。
衰退するパチンコに成り代わり、アニメ系キャラクターを使ったソシャゲが、かつてのパチンコの位置を占めるようになってきている。当たりのレアカードが出たり出なかったりする、射幸心(偶然の利益を労せずに得ようとする欲心)を煽る「ガチャ」というソシャゲの仕組みは、パチンコに含まれるギャンブル性を思わせる。
ソシャゲ開発陣は、かつてパチンコをしていた消費者達を、ソシャゲに取り込む方針でソシャゲの作風とシステムを調整している。
子どもの頃から手元のスマホで、疑似パチンコのソシャゲにいつでもどこででも触れ続けるという状況は、誰がどう考えても危険すぎる。
いかに搾取するかに終始する会社と、中毒者にされる消費者
長い年月と高い人件費をかけて作り上げた大作ゲームが「ストーリーがよく分からない」と一蹴されて全然売れず、PixivのようなSNSで勧誘してきた絵描き達に安価で描かかせた絵と確率をいじったガチャを組み合わせたソシャゲが大ヒットするのなら、どの業者もソシャゲに飛びつくのは自明の理だ。
どうやって射幸心を煽るか?どの漫画・アニメ作品のキャラとコラボした企画をすれば売上が伸びるか?次の新しい搾取システムは何にするか?
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このような、ただ集金にのみ念頭を置いたゲーム開発では、将来的にゲームのシナリオやシステムの進化がとどこおるのは想像に難くない。ソーシャルゲームの開発はボランティアや趣味ではなく、商売なのだから、企業活動としてはまっとうともいえる。
確率操作されたガチャを中毒的に回して散財しまくる消費者や、
ソシャゲ会社が提供する「お手軽でわかりやすいゲーム」しか頭が受け付けなくなってしまった消費者や、
架空のゲーム内世界で承認欲求を満たして笑う消費者や、
期間限定イベントや期間限定キャラやスタミナ消化義務に私生活が振り回される消費者ばかりのソシャゲ中毒者は、
控えめに言っても健全ではないと感じられる。
生産者側にも、消費者側にも、それぞれに、どこかいびつなモノを感じてしまう。
急速にふくらみ続ける、ソシャゲ市場
2013年 6000億円
2014年 7000億円
2015年 9000億円
2016年 1兆円(予想)
コンシューマーゲーム(そのソフト1本で完結しているタイプのゲーム)の市場規模
2013年 2500億円
2014年 2200億円
2015年 1900億円
2016年 1600億円(予想)
スマートホンの国民的普及に乗じて、近年急速に市場を拡大してきたソーシャルゲームは、
- 「誰もが所持しているスマホをゲーム機にして遊べるので、PSVitaやニンテンドー3DSのような専用のゲーム機をわざわざ買わずに済み、手軽」
- 「基本無料なので、無課金でもそこそこ楽しめる」
- 「手の空いた暇な時間に、スマホを触って、無料配布された魔法石の消化や、時間経過で貯まったスタミナを、手軽に消化できる」
などの理由から、お手軽ゲームとして広く受け入れられている。
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既存の据え置き型ゲームと、新しいソーシャルゲームの販路の違い
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