世界中の人々に愛される高品質の時計や、しっかりとした経済地盤、秘匿性と堅実さの高さで知られるスイス銀行などなど、世界各国の経済力について調べていると目にすることが多くなるスイスという国。
スイスとはどのような国なのか?調査したので、分かったことを報告します。
スイスという国の5つの魅力的
1.経済力が高いお金持ち国家
2011年の世界経済フォーラムの研究報告書においては、スイスが国際競争力世界一の国である、とされています。
スイスで、金融資産で100万ドル以上を保有している富裕層世帯は9.5%にものぼります。
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2.スイスは「永世中立国」
スイスは永世中立国であることを宣言していて、たとえ他国や隣国で戦争が起こっても、その戦争に荷担も介入もしない国です。
スイスが永世中立国であることは、他国も承認と保障をしています。
スイスは口だけの平和主義国家というわけではなく、相当の軍事力を有していて、国民にも武器が普及しており、他国から攻め込まれても対抗できるだけの備えは用意されています。
3.スイスが世界幸福度調査で世界最高レベルの順位
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2015年度では、世界幸福度調査でスイスが世界第1位に認定されていて、2016年度でも2位です。
世界幸福度調査は、
- 国内総生産(一人あたりの購買力評価)
- 健康寿命の期待値
- 自由さ
- 寛容さ
- 社会的に助け合える環境
- 行政やビジネスにおいて、汚職のない環境
という項目でそれぞれ評価されます。スイスはいずれの項目でも高水準の国ということです。
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4.少数精鋭という国民のスタイル
2016年の時点で、スイスの人口は837万人であり、国土の大きさは東京23区の約2倍程度と、小国と言えます。
しかし、国民の多くは手に職を持つ職人であり、国外から受け入れる移民には厳しい審査が課せられます。
移民の学歴・プロフィールを明示したうえで市民の投票によって可否が決定されます。スイスの発展に寄与するであろうと認められた優秀な人物だけが、スイスの国民になることを許されます。スイスの人口の約3割が移民です。
5.世界中の富裕層に愛されるスイスの高級時計
スイス発祥の世界的な時計ブランドと言えば「オメガ」「スウォッチ」「ブランパン」など。
スイス産の時計は、長い伝統と、卓越した機能・デザイン性から、世界中に愛好者がいます。富裕層向けの高級機械式腕時計は、スイスの優れた職人達の手によって製造されています。
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なぜスイスの国際競争力はこれほどまでに高いのか
スイスは「製造業」に特に力を入れている
スイスでの大学進学率は3割未満であり、「大学へ進むよりも、早くから手に職を付ける方が大事」という考え方が国民間へ浸透しています。
ネスレ(食品)、ノバルティス(製薬)、ヴァシュロン・コンスタンタン(時計)、スウォッチ(時計)といった世界的に有名な製造企業がスイスには数多く存在し、その国の製造業が強いと国際競争力が強くなるので、スイスの国際競争力も優れたものになります。
スイスでは国が企業を支援しないので企業は生き残りに必死
スイスでは、たとえ国内の企業が倒産しかかっていても、税金を投入して企業を救済するような仕組みはありません。
おのずとスイス国内の企業は競争と生き残りに必死にならざるを得ず、競争の結果で淘汰が進み、優れた企業のみが残って、国内企業が洗練され続けます。
スイスと金融業の関係
- スイスの銀行では高品質な「プライベートバンク」のサービスが売り。
プライベートバンクは、富裕層の顧客個人の事情に合わせて資産運用・資産相続の相談を行うサービス。 - プライベートバンクの魅力の高さから、世界中の富裕層がスイスの銀行へと次々と預金をするので、世界中からお金がスイスへと集まってくる
- また、スイスの銀行は世界最高峰の秘匿性があり、顧客の個人情報を確実に守ってくれるので、その点も魅力的
- スイスの通貨である「スイスフラン」は「金(ゴールド)よりも堅い」と言われるほどに世界で最も安定的な価値がある通貨。
したがって、世界中の人達が自国通貨をスイスフランへ交換したがり、世界中からお金がスイスへと集まってくる。
スイスの銀行の強みである「プライベートバンク」は、たとえば預金者が「どこか税金の安い国で資産形成をしたいなあ」と相談すると、担当者がすぐに候補の国の優良な銀行・信頼できる投資先を提案してくれたりと、顧客個人の事情に合わせたオーダーメードのサービスを提供してくれます。
スイス銀行家協会の報告では、2018年1月の時点で、スイスの銀行は6兆6500兆フラン(約770兆円)の資産を管理しており、その資産のうちの48%は海外由来のものだそうです。
スイスの銀行が顧客から預かった極めて潤沢な金融資産を保有しているということは、銀行業務と並行して、金融資産を使って外国為替・株式投資・海外の国々への融資などを行うことで、ばく大な利益を得ることが出来る、ということです。
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スイスは大規模な金融業によって多額の利益を得ているので、国の経済力が優れているのです。
スイスの殺戮通貨「スイスフラン」
- 2011年9月6日に、1ユーロ=1.20スイスフランの最低為替レートを設定することをスイスの中央銀行であるスイス国立銀行が発表した。
1ユーロ=1.20スイスフランの為替レートを下回ることが無いように、今後は継続してスイス国立銀行が為替介入する。
このことを受けて、ユーロ/スイスフランの為替レートはわずか2時間で1.10フランから1.20フラン台まで暴騰した。 - 2015年1月15日、スイスの中央銀行であるスイス国立銀行は1ユーロ=1.20スイスフランの最低為替レートを維持することを止める、と突然発表した。
この発表と為替介入を受けて、ユーロ/スイスフランの為替レートがごく短時間で急変した。
この2日前には中央銀行が「これからも継続して相場維持する」と発言していたので、その発言を裏切る形となった
スイスフランは長い目で見れば非常に安定している反面、スイス独自のルールで運用されている通貨なので、たまに突然の為替介入で思っても見ない超変動が起こり、FXをやっている人達からは「スイスフランは殺戮通貨」だと言われています。
上記の2度のスイスフランショックにより、FXでユーロ/スイスフランの通貨ペアを触っていた人達は、破産・数千万円という追証金を背負わされる事態が多発しました。
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