医学部医学科の入試に合格することを目指して、何年も浪人を続けている「医学部浪人」にありがちなことや、医学部入試では浪人が大量に出やすい理由について調査したので分かったことを報告します。
「何年間も医学部浪人を続けている人達」にありがちなこと
ありがちなこと
- 自身が日頃に抱く感情は「不快感」「焦燥感」「絶望感」など、負の感情の種類ばかり
- 何年間も大学受験勉強を続けているせいで、気持ちがダレてしまってきていて、勉強を続けるモチベーションを維持することが難しくなってきている
- 全国模試の結果も、志望大学の合格判定や得点順位がずっと横ばい状態
- ずっと在籍している予備校の中で、なにかと噂の対象になりやすく、当人はそのことが辛い
- 家庭の中でも、家族から腫れ物扱いされたり、すでに何も期待されておらずに放置されている状態
- 同級生が楽しいキャンパスライフを送っていたり、すでに大学を卒業して企業で働いていることに、強い焦りを感じている
- 「自分は何年間も医学部合格を目指している、一般人とは一線を画す存在」「自分は有名な進学校出身」「模試での全国偏差値は60代後半」という自負やプライドから、
今さら目標の進路を下方修正できない心境にある - 何年間も医学部浪人を続けてきた結果、不合格慣れしてしまったため、また不合格になっても「あー、今年もダメだったかぁー」のようなのんきな感想しか浮かばないようになる
その人が「医学部浪人」になってしまう原因
医学部医学科の入試に合格することが、難しすぎるから
私立大学の医学部医学科の入試倍率:10倍~20倍程度
医学部医学科の募集人数はだいたいの大学が50人~100人程度で、募集人数が少なすぎるという共通点があります。
どの大学の医学科も入試倍率が非常に高くなり、入試に合格することはとても困難であるため、医学部浪人生が大勢出てくることになります。
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実力不足なのに、医師になることを諦められないから
- 勤務医でもほぼ確実に年収は1000万円超え、開業医ならば年収2000万円からそれ以上に到達
- 医師は社会的地位が相当に高く、みんなから先生と呼ばれて尊敬され、医師のステータスには大きな魅力がある
- 医師免許という国家資格は非常に強力で、医師免許の効力で適当にアルバイト医師を続けているだけでも、年収は1000万円近くになる
などの事実が、医学部浪人を続けさせてしまう主な理由
「医学科入試に問題無く合格できる実力」「もともと学力が高く、頑張って能力を補えば医学科入試になんとか合格できる実力」ではないのに、
医師の職業にまつわる各種のステータスに魅了されたまま、医学部浪人を続けている人はかなり多いと考えられます。
家庭の経済事情で、国公立大の医学科しか選択肢が無いから
大多数の受験生の家庭は、経済状況が並であり、私立大学の医学部の学費(だいたい、大学6年間で3000万円前後かかる)はとても支払えません。
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そのため、私立大学の医学部よりも学費がずっと安い、国公立大の医学部しか選択肢が無い、という家庭が大部分を占めていると考えられます。
しかし、国公立大の医学部医学科は学費の安さのせいで非常に高人気であり、優秀な受験生達が入試の少ない合格人数枠に殺到するため、合格することは困難を極めます。
このことが、医学部浪人を多数生み出す大きな要因になっています。
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親が医師であり、子どもの自分も医師になることを親に求められているから
両親が勤務医だったり開業医だったり、代々医師の家系のため、子どもも医師になることを親が強く望み、医学科入試に合格するまで浪人を続けることを強要されるパターンもそれなりに多いです。
医学部浪人達が、何年間も努力しても医学科になかなか合格できない3つの理由
1「医学科の入試では、ほんの小さなミスでも命取りになるから」
- センター試験で90%程度の得点率
- 二次試験では7割~8割程度の正答率
国公立大の医学部医学科では、だいたい上記のような得点率が合格の条件と言われる
医学科入試では、50人~100人程度という少ない合格人数枠に、5倍から10倍以上の人数の受験生が殺到する、という独特の特徴があります。
これらのライバル受験生達の中で上位10%~20%以内の得点数順位に入り、医学科入試に合格するためには、
計算ミスも凡ミスも起こすことなく、入試基礎レベルの問題~入試標準レベルの問題に完答することが要求されます。
このことを実現するのは至難の業です。
そのため、実力不足だったり、運悪く自分の苦手な問題が出てきて得点率がある程度以上下がってしまうと、その年の医学部入試は不合格になってしまいます。
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2「医学科入試では、ライバルの受験生達が優秀な人ばかりだから」
- 両親が医師で、生まれつき高知能の子ども
- 全国的に有名な進学校の現役生や卒業生
- 東大や京大ほか有名国公立大を第一志望にしている人が、私立大の医学科を併願している
- 東大や京大やその他旧帝大や早慶の卒業生が医学科を再受験する
などが、医学科受験生の傾向
上記の「医学科の入試では、ほんの小さなミスでも命取りになるから」で説明した内容に加えて、
医学科入試はライバル受験生達の学力レベルがかなり高い傾向があります。
仮に自身が医学科入試でかなり手応えを感じた結果であったとしても、優秀なライバル受験生達が自身よりも上の得点数を取ってくる、というパターンが多発し、
そのせいで自分の得点数では合格定員内に入ることができず、不合格になることがかなり多くなります。
3「医学科入試では人物評価をする面接試験があるから」
- 一般的に、多浪生は医学科入試の面接試験でかなりのマイナス評価を受けると言われている
- 「この受験生は能力不足だ」
「すでに何年間も浪人をしていて、そのせいで医師として現役でいられる年数が他の現役生達よりも短くなってしまっている」
と大学側に判断されるため
- 「この受験生は能力不足だ」
- 医学科入試の面接試験対策は独学では困難であり、医学科合格に特化したタイプの予備校などに通う必要が出てくる
などが、医学部浪人にとって面接試験がやっかいである理由
医学部医学科で1人の医学生を一人前の医師に育てるには、6年間でおよそ9000万円もの国庫補助金・寄付金が費やされている、と言われています。
そのような国の税金と寄付金が使われている事情から、入試を行う大学側は「医師として十分にやっていけるであろう人物」を厳選する責任を負うことになります。
2018年、東京医科大学の医学科入試で、女子受験生と3浪以上の男子受験生が合格しにくいように不正な採点操作が行われた事件が世間を騒がせました。
これは犯罪ですが、そうであるにせよ、多浪生のような「医師としての能力が不十分である可能性が高い受験生」を色々な大学が敬遠していることは大いに考えられます。
多浪生は医学科入試の面接試験ではじかれる可能性がかなり高いと考えられます。
参考:医学部浪人を続けることを、止めた方が良い人
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○すでに医学部浪人を2年続けている人:浪人3年目からは気持ちがダレやすくなって合格率が低くなり、そのままずるずると何年間も浪人を続けると人生が破滅的な方向へ進みやすいから
○現役時に旧帝大の学部や早慶の学部が合格圏内になかった人:国公立大の医学部や私立大学の医学部に合格するには、これらの大学に楽に合格できる程度の学力が必要だから
○模試での医学科の合格判定でAやBが出ていない人:医学科に合格する見込みが低いうえに、仮にぎりぎりで医学科に合格したとしても、膨大な暗記量を求められる医学科での勉強ですぐに脱落する危険性が高いから
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