労働生産性が高い国の、その主な特徴・共通点を解説します。
「労働生産性が高い国」に共通する、主な2つの特徴
1「各種産業でIT化を押し進め、それによって生産性を向上させ続けている」
- 企業内部のデジタルインフラを優先的に整備し、それによって各種情報の確認・伝達・指示がより早くできるようにしている
- ICT(Information and Communication Technology、情報通信技術)への大規模な設備投資を行って、ネットワークを介して情報・知識がスムーズに共有できるようになっていることが、労働生産性が高い国々で共通している
- ITによって自動化できる業務は自動化し、さらに情報の伝達・共有を短時間で行えるようになると作業時間が大幅に短縮されるため、
成果量は変わらなくても1日の労働時間が少なくなり、それによって労働生産性が向上する
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本項目の具体例:アメリカ合衆国
・ICT関連への投資額が、欧州の国々よりも高く、企業のデジタルインフラを整備することに非常に意欲的であること
・さらに、アメリカの各企業では、IT化した業務環境を使いこなすための人材教育や人材育成も積極的に行っていること
・アメリカの国の慣習として、サービス業でも適切な対価を受け取ることができるため、サービス業でも労働生産性が高くなる
アメリカ合衆国は主要先進国の中でトップの労働生産性であり、世界ランキングでもトップ10の常連国になっている。
2「優れた外資企業」を積極的に国内へ招いている
- 外資企業に対して、税制で優遇措置を取る
(その国で生産活動をすると他の国よりも納税額が小さくなるため、それを好感して多くの外資企業が集まってくる) - 外国企業を誘致しやすいように国の法整備をする
- その国の公用語に、世界で最もポピュラーな言語である「英語」を選択し、それによって外資企業で自国民がスムーズに働けるように環境を整える
- これらの施策で有力な外資企業が国内で多大な利益を上げ、同時に自国民も働き場を得ることができるため、結果としてその国の労働生産性が向上する
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本項目の具体例:アイルランド(北西ヨーロッパに位置する国家)
・外資企業の法人税の税率が、ヨーロッパ圏の国の中では最も低く設定されているため、外国企業にとってはアイルランドが魅力的な場になっている
・「Google」「Apple」「IBM」といったアメリカの名だたる大企業がアイルランドに進出しており、アイルランドは「米国企業の欧州拠点」といった状況を呈している(欧州やアジアからの企業進出も増えてきている)
・アイルランドでは国を挙げて情報事業の技術者の育成を進めており、IT系の外資企業に優秀な人材を提供できている
2021年度、アイルランドは労働生産性の高さで世界第一位に輝いた。(公益財団法人 日本生産性本部調べ)
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