まるで版画のような、ちょっと異様な画風。それでいて、読者が喜ぶ女の子の萌えポイントやストーリーの面白さもしっかりとおさえている。
不思議で奇妙なオカルト系世界観と、ときおり混ざるシュールな笑いが病みつきになる、クセの強い漫画家「阿部洋一」の紹介です。
謎の金魚鉢男から人々を守れ!「血潜り林檎と金魚鉢男」
雨上がりの晴れた時間帯にどこからともなく出現する吸血鬼・金魚鉢男は、血を吸った人間を小さな金魚へと変えてしまう。
主人公の妹は金魚鉢男によって金魚に変えられてしまった。
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スクール水着を着用して人体へと潜り込み、金魚化を防ぐ能力を持つ血潜りの少女・林檎と知り合った主人公は、妹を元に戻すべく、金魚鉢男の正体へ迫ってゆく。
独特で魅力的な世界観をもったオカルト漫画。
ヒロインの林檎を含め、金魚鉢男に襲われた人を救う「血潜り(ちもぐり)」の女性達は街中でもスクール水着(本人達は仕事着だと言っている)を着たまま平然と行動しているので、そのせいで警察から補導されたりと、シュールな光景が続きます。
ブログ管理人が最も好きな阿部洋一漫画です。
「血潜り林檎と金魚鉢男」が平成23年度 第15回文化庁メディア芸術祭マンガ部門審査委員会推薦作品に選ばれるなど、高く評価されています。
長らく3巻で止まっていたが、最近「新・血潜り林檎と金魚鉢男」とタイトルをリニューアルして、続きの第二部がWeb連載されました。
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そして、ついに完結しました。
「橙は、半透明に二度寝する」「オニクジョ」
「橙は、半透明に二度寝する」
「橙は、半透明に二度寝する」は漫画らしからぬ文学的な雰囲気で、小説好きな方に特におすすめ。地方の港町で起こるシュールな不可思議現象を扱う1話完結の短編漫画集です。
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親友だった子の首を衝動的にかき切った女の子の話と、カブトムシが大好きな女の子の話がお気に入り。
「オニクジョ」
どちらの本も独特の作中雰囲気の漫画ばかりで面白いです。
山から京都の街へ下りてきては、主にDQN的いやがらせやいたずらを繰り返すオニ達を、わりと無慈悲に殺して次々とクジョするオニクジョの漫画も面白く、シュールな笑いも多いです。
こちらは1巻完結の短編漫画なので、阿部洋一の漫画を知るには「オニクジョ」が最適かも。
漫画家・阿部洋一の作風
妖怪や幽霊が出現する、和風オカルト系の漫画が非常に多い。
また、本来は洋物である吸血鬼を「金魚鉢男」という日本の化け物にアレンジした「畳くさい吸血鬼モノ」という新ジャンルを開拓したりと、新進気鋭な作家です。
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最近は表舞台に出てくるようになってきたとはいえ、以前はマイナー雑誌でばかり連載していたのでマイナー雑誌が廃刊になって阿部洋一の漫画が巻き添えを食う形で途中で強制打ち切りになりやすいという不遇な漫画家。
オカルトジャンルの漫画ではあるが恐くはなく、「首だけになっても生きたままの女の子」のような超常要素がシュールな存在としてそのまま日常で扱われるような題材が多く、シュールな笑いもよく混ざります。
妖怪の血を引く娘が両親探しの旅「少女奇談まこら」
主人公の少女・まこらは妖怪皇(おう)と人間のハーフ。
行方不明になった母親と父親を捜すため、3人のお供の妖怪を引き連れ、左目に宿った父親の力を使いながら旅へと出発する。
絵は阿部洋一が担当しているのですが、原作者が別なので他の阿部洋一作品と作品雰囲気が少し異なります。
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