ホラーゲームの中でも、ダントツの難易度とシナリオの難解さで知られる、PS2のSIREN(サイレン)。キャッチコピーは、「どうあがいても、絶望。」
ゲーム内での敵との戦力差に絶望することもさることながら、このゲームにはストーリー面や作品世界設定で絶望要素が多数存在する、トラウマレベルの絶望ゲーム。
サイレン世界の絶望要素を調査したので分かったことを報告します。
簡単な、SIRENのストーリー解説
山に囲まれ、外界と断絶するのように、ひっそりと存在している羽生蛇村(はにゅうだ むら)本作の舞台。羽生蛇村には独特の伝承や独自の土着信仰が根付いている。
過去の1976年8月2日深夜、大規模な土砂災害で羽生蛇村は大きな被害を受け、その時の事件の傷跡が、27年後の現代の作品舞台に大きな影響を与えている。
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時は流れ、2003年。羽生蛇村の都市伝説を確かめようと東京から村へとやってきた高校生や、村の秘祭を調査しにやってきた民俗学者、TVレポーターらが羽生蛇村に集まり、27年ぶりの秘祭に巻き込まれてしまう。
8月3日午前0時、秘祭の失敗により異変が起こる。村の四方を囲むようにして出現した赤い海からサイレンが鳴り、羽生蛇村は現実世界から隔離された異界と化してしまう。
羽生蛇村の至るところに流れる赤い水によって村人が変異した「屍人(しびと)」が徘徊する。
羽生蛇村に取り込まれた高校生や民俗学者やTVレポーターや、その他の本作の登場人物達は、絶望的な状況下であがき、羽生蛇村が異界と化した元凶へと近づいていく。
予備知識:「SIREN」というゲームの特徴説明
- 2003年11月6日に発売にPS2で発売した和製ホラーゲーム。ジャンルは「ジャパンダークサイドモダンホラー」とパッケージに明記されている。
- 3Dアクションのホラーゲームだが、操作キャラクターの攻撃力・耐久力が低すぎるので基本的に敵から逃げ回るゲーム
- ストーリーやビジュアルに、それまでの和製ホラーの映画や小説の影響が強く見られる
- 「視界ジャック」という、敵の視界を遠隔地から一方的に盗み見て、敵から逃げるというシステムを取り入れている
- SIRENというゲームの売り上げ自体は特に目立つことは無かったが、ホラーゲームの中では珍しい日本の伝奇をテーマにしたゲームだったことや、
難解なストーリーとクリア後も残る複数の謎や、数あるホラーゲームの中でもだんとつで難しい難易度などが話題を呼び、知る人ぞ知る名作ゲームとして、2010年代の今もなお根強いファンをもつ
絶望1「『赤い水』を少しでも身体に入れたら即アウト」
SIRENの世界で至る所に流れていたり、水たまりになっている「赤い水」。
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これを体内に取り込んでしまうと、異界側に取り込まれて現実世界に戻ることができなくなる。赤い水を飲むことはもちろん、傷口から染みこんでもダメ。
さらに、異界化した羽生蛇村の食べ物を食べたり飲んだりしてもアウト。絶望。
『赤い水』とは?
赤い水の正体は、堕辰子(だたつし)から際限なく流れ出る血。堕辰子は、本作の時点から1300年前に、この世とは別の世界から羽生蛇村に落ちてきた神の一種である。
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飢饉に耐えきれなくなった羽生蛇村の村人達が堕辰子の肉を食ったことから、堕辰子の呪いが村人に振り掛かり、それが現代の羽生蛇村が異界化するきっかけとなっている。
赤い水を体内に取り込むと餓えを感じなくなったり、傷や体力が回復するものの、「異界の一部」を体内に取り入れたことで存在自体が異界に組み込まれ、二度と現世へと帰れなくなる。
そして、赤い水を一定以上摂取すると、屍人へと変わってしまう。
屍人に捕まると、強制的に赤い水を飲まされて屍人の仲間入りをさせられ、二度と現世に戻れなくなる。
原作に忠実で、SIRENファンからも好評な漫画版SIREN↓が連載中!
絶望2「異界の一端に触れただけで精神を病む狂気の世界」
SIRENの登場人物・四方田春海は、押し入れの中に隠れていた時間が長かったり、傷をいっさい負わなかったので、赤い水を摂取せずに済み、奇跡的に現実世界へと帰還できたただ一人の少女。
SIREN2の登場人物の三沢岳明は、自衛隊の災害派遣部隊の一員であり、四方田春海を発見・救出した。その際、羽生蛇村の怪異にわずかに触れてしまい、以後、悪夢・幻覚といった心的後遺症に苦しむようになる。
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少し異界に触れただけでこれ。異界化した羽生蛇村を長時間さまよえば精神の破綻は確実。絶望。
四方田春海のその後は作中では語られていないが、かつて異界化した羽生蛇村に取り込まれた恐怖体験から精神をずたずたに傷つけられたせいで、彼女がまっとうな人生を歩むことは絶望的だと考えられる。
絶望3「無限の地獄…異界がループし続けている」
SIRENのメイン主人公の須田恭也はストーリーを進めて、事件解決の手がかりと、この世ならざるモノを滅ぼす武器を手に入れ、呪いの元凶である堕辰子を倒し、首を落とす。
その後、「こんな奴ら、全部消して」という美耶子の願いを叶えるために羽生蛇村の屍人を殲滅。
しかし、現実世界に帰還することは叶わず、屍人を狩り続けながら、美耶子の霊と共に長く異界を彷徨っている。
異界化した羽生蛇村は閉鎖したループ状態にあり、その中に取り込まれてしまった須田恭也は永遠に異界をさまよいながらループを繰り返すことになります。絶望。
完全復活した堕辰子を、須田恭也が倒して首を落とす。八尾比沙子が堕辰子の首を抱え、堕辰子が死んだ反動でできた異次元へと落ちる(時系列では現代)
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八尾比沙子が過去の世界へと飛ばされ、堕辰子の首を、羽生蛇村の秘祭のご神体にする(時系列では過去)
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時間経過で現代になる。ゲームの本編スタート。堕辰子の首をご神体にした秘祭が失敗し、羽生蛇村が異界化する。
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完全復活した堕辰子を、須田恭也が倒して首を落とす。八尾比沙子が堕辰子の首を抱え、堕辰子が死んだ反動でできた異次元へと落ちる(時系列では現代)
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(このループを永遠に繰り返す)
須田恭也以外にも、登場人物の教授とその教え子は異界化した羽生蛇村に取り残されたまま現実世界への帰還ができず、
さらに、異界化した羽生蛇村の中で死ぬことも身動きもできない肉塊として永遠に生き続けることを強いられるキャラまでいます。絶望。
絶望4「まだまだある絶望要素」
しかし、事件の犯人は異界化した羽生蛇村で屍人を殲滅した自分自身だったというオチ。
新しい須田恭也が現世から定期的に羽生蛇村に取り込まれて物語がループしてしまう。絶望。
そのため、まだ人としての理性のある村人達は27年前の異変時から、堕辰子の鳴き声が届かない水のたまったダムの底で不死のまま苦しみ続けていた。
外見はもはや人の形をした粘土細工のように腐食してしまっている。絶望。
どれ1つをとっても精神崩壊を招きかねない危険度。絶望。
SIRENで、どの種類の絶望を楽しむかは、あなた次第
- 各登場人物が物語の最後に迎える、救いがなさ過ぎる結末に絶望する
- 1300年も前から続く、羽生蛇村の呪われた因果に絶望する
- 屍人の群れに対して、操作キャラ達があまりに非力であることに絶望する
- 各種のステージクリアの条件が、あまりにも判らなすぎて絶望する
- 異界化した羽生蛇村の雰囲気が恐すぎて絶望する
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