アメリカは、実力者をおおいに優遇し、その反対に弱者達に厳しくて冷たいという側面があります。
はっきりとした競争社会のアメリカにおいて、弱者達が冷たく扱われている現象について調査したので分かったことを報告します。
弱者に厳しい、アメリカの4つの側面
1「アメリカの雇用制度」
アメリカの場合
- 社員をクビにすることを法律で防止する解雇規制が無いため、成果を上げられない社員はすぐに解雇される
- 基本的に、即戦力となる社員しか求めていない
- アメリカ企業では、たとえば「コミュニティ・マネジャー」のようなポジション採用が主流であり、
そのポジションの職をこなすためのスキル・経歴が必須になる - 大学で専攻していた学問分野が企業側の需要とマッチしていないと、全然採用してもらえない
- 日本のような新卒一括採用制度が無いため、大学の学部や大学院を卒業したばかりの若者は、経験豊富な中途採用志望者達と同列で戦わなければならない
- アメリカは英語圏であるため、同じく英語圏である他国の有能な人材達が好待遇を求めてアメリカ企業に押し寄せるため、
その有能な人達との競争に勝てなければ企業就職ができない
日本の場合
- 解雇規制が強いため、成績が悪い社員でも容易に企業内に留まり続けることができる
- 新卒一括採用制度を採用しているため、学校を卒業したばかりのノースキルの新卒者でも容易に企業就職ができる
- 採用後に各人材を企業内の部門へ振り分けるという制度なので、人材に特定のスキルや経験があまり求められない
- 日本語という独特の言語圏であるため、言語の障壁により、海外からの転職者達と衝突する機会が少ない
2「アメリカの医療制度」
アメリカの場合
- 医療保険の加入は任意であり、日本の「国民健康保険」のようなものが無い
- 「加入する医療保険の種類」によって、治療額の自己負担額が異なっている
- アメリカでは基本的に治療額が高額であり、たとえば入院費用は1泊で1000ドル以上する(1ドル=110円とすると、110000円以上)
- 以上の事柄から、「保険に加入しておらず、かつ、大病や大怪我をしてしまった、という状況」で、高額の治療費で破産してしまうことも珍しくない
日本の場合
- 国民全員が「国民健康保険」への加入が必須であり、加入のための保険料もそれほど高くない
- 国民健康保険によって治療額の自己負担額は3割にまで低減され、低額のおかげで気軽に病院へ行くことができる
- 国民健康保険は特殊な病例を除いて、メジャーな病気や怪我のほとんどに適用される
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3「アメリカの格差社会」
アメリカの場合
- アメリカの国民の中で、収入額がTOP1%の人達の収入が、1980年代から現代にかけて3倍以上に増大しているが、
他の99%の人達の収入は比べものにならないくらいに緩やかな上昇しかしていない- アメリカでは有能な管理職者や職員には功績に応じた高額報酬を支払うことが当然だと捉えられており、能力差によって収入額の差が非常に大きくなるから
- 2012年にフードスタンプ(食糧品向けのみに絞った生活保護費)を受給したアメリカ国民は全国民の1/5にのぼり、貧困層が増大している
- すでにアメリカでは、富裕層と貧困層の文化・交流・婚姻関係の断絶が起こっている
日本の場合
- 2010年代ごろから日本でも格差社会化の進行が話題にされ始めたが、
アメリカの格差社会の程度に比較すれば、日本の格差はまだ圧倒的に小さいと評価されている - 企業の役員の報酬と、平社員の月給は、まだ差が小さい状況
4「アメリカの治安」
アメリカの場合
- アメリカは銃社会であり、銃を突きつけられて金銭を要求される恐喝や、定期的に起こる銃乱射事件に巻き込まれる危険性が高い
- アメリカは治安が悪い先進国であることで有名であり、ニューヨーク・シカゴ・ロサンゼルスなどのように特に治安が悪い都市、各州内のスラム街があり、
そのせいで犯罪に巻き込まれやすい- 治安が悪い原因は、「人種差別問題」「マフィア組織の存在」「地域になじめない移民達」「国民間で経済格差がありすぎる」「失業者が多いせいで生活が困窮している人が多い」などの原因から
日本の場合
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- 世界最高レベルで治安が良く、凶悪事件はめったに起こらない
実力者や有能な人を優遇する、アメリカの国の方針
アメリカの国の方針
- 「企業での営利活動や、研究活動で成果を上げられる人」に高額の報酬を支払うことで、
成果を上げられる人をアメリカ国内に引き止めたり、
その高額報酬を求める有能な人達を世界中からアメリカに集める - 「仕事や、お金の扱い方が上手い人」に多額のお金を投じた方が、
結果として、大金を元手に生まれるアメリカ国内のビジネスや納税額が増える、という考え方 - 企業の法人税の税率を引き下げることで、企業の経済成長を妨害しないようにする
- 企業の経済成長の足を引っ張る無能社員達は、企業が容易に解雇できるように法整備する
- その代わりに、失業者達は、企業ではなく国が福祉制度によって面倒を見る
とにかく、アメリカは国の経済力や、研究活動による技術力の向上を第一にしている、徹底した実力主義の国です。
そのため、実力者は優遇する反面、能力がとぼしい人達には冷たい面があります。
アメリカの状況を簡単に表現すると以上のような具合になります。
アメリカでの仕事の報酬額の高さや先鋭的な企業イメージという側面だけを見てアメリカへ行くと大変なことになるので、
その点は注意しておきましょう。
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