成熟した先進国の運命と言える、少子高齢化や国の競争力の低下などの成熟した先進国でほぼ必ず起こることについて調査したので分かったことを報告します。
成熟した先進国に運命としてほぼ必ず起こる、4つの問題
1「少子高齢化が起こり、そのせいで国力が衰退し始める」
- 高度化した自国の社会に適応させるために、子どもの教育コストが増大するから
- 先進国では男性国民も女性国民も働き詰め状態になりやすく、そのせいで晩婚化・非婚化という状況になりやすくから
- 先進国では国民の価値観が多様化しやすくなり、そのせいで恋愛・結婚・育児などの価値が低下しやすくなるから
- 医療技術の発展により、人間がかなりの高齢になったり深刻な病気にかかったとしても、なかなか死ななくなるから
- 「少子化」によって若い人間が少なくなるため、そのせいで国民のうちの高齢者の割合がだんだん大きくなっていくから
少子高齢化のうちでも、特に少子化の方は、
「その国での生産人口が減少する」「その国での消費人口が減少する」
ことへ直結し、そのことは国の経済力が減退することにも直結するため、非常に深刻な問題です。
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2「国内の市場が、ほぼ飽和状態になる」
- 国民には高品質な製品・サービスが十分に行き届き、すでに供給過多気味になっている
- 潤沢な資金・高い技術力・優秀な人材・供給ルートなどを保有している少数の大企業が市場を寡占している状態にあり、
弱小企業はすぐに淘汰されてしまう - その国での「道路」「鉄道」「水道」「下水道」「配電」「病院」などの生活上のインフラも、ほぼ完備されている
成熟した先進国では、国内のほとんどの分野で「もう十分に高度」という状況になり、
そのことを裏返すと「飽和状態(最大限度まで満たされていて、もうそれ以上増えない状態)になっていて、もう伸びしろが無いという状態になっていること」を意味しています。
3「高齢者や貧困層への社会保障を拡充するために、国の競争力が低下する」
- 先進国で、国民の多くを占めるようになった高齢者達への社会保障費(年金の支給や医療費を国側が負担することなど)が、国の財政をひどく圧迫するようになる
- 先進国の、貧困層や障害者の生活保護・医療費の支援で、国の財政が圧迫されることになる
先進国での政治形態は、ほぼ確実に民主主義に帰結します。
民主主義により、「国民の生活を保護すること」が大多数の国民達に求められ、高齢者や貧困層への社会保障に税金の多くの割合が費やされるようになります。
その結果、その国での若手の育成や、その国の各企業への経済的支援に回される金銭的・エネルギー的なリソースが減少することになります。
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4「その国の社会が格差社会となり、そのせいで社会が不安定化する」
- 国民のそれぞれが、生活・経済活動を何十年・何百年と何世代も続けた結果、「強い者・成功した者がひたすら勝ち続け、弱い者・成功できない者はずっと勝ち目が出てこない」という格差が確実に固定化されるようになる
- 強い者・成功した者・それらの者の家系に、お金や、遺伝的に優秀である配偶者などが、集まり続けるようになるから
その国で、貧富や知性の格差が固定された格差社会が実現するようになると、
弱者側の国民達のやる気が失われて国力(経済力や、研究開発の能力など)が低下する原因になったり、
弱者側が暴動・革命を起こして社会体制が崩壊する危険性が高くなります。
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同じ先進国でも、停滞する日本と成長するアメリカの違い
日本とアメリカの各種の違い
日本 | アメリカ | |
---|---|---|
国の経済成長の度合い | 成長は鈍化している | ほぼ順調に成長している |
国民の数の推移 | 2008年時での人口をピークにして減少し続けている | 移民文化により、右肩上がりで人口増加し続けている |
国の成長戦略の方針 | 弱者や凡庸な者を保護することを優先する方針 | 強者を優先して支援し、弱者は切り捨てる方針 |
国の社会保障のレベル | 国民皆保険制度をはじめとして、非常に充実している | 医療費が高すぎるなど、社会保障はお粗末なレベル |
2020年1月から同年5月にかけて、
中国の武漢発の新型コロナウィルスが、中国・アメリカ・イタリアやスペインなどの欧州各国・その他世界各国にまん延し、多数の感染者と死者を出しています。
アメリカでは民間の病院での医療費が高すぎるせい(国に医療費負担をしてもらえる社会制度が無い)で病院で治療を受けられない人が非常に多く、
そのせいでアメリカでの新型コロナウィルスの感染拡大と死者増加になかなか歯止めが掛からない状況です。
それに対して、日本では国民皆保険制度のおかげで容易に病院での治療を受けることができ、日本での新型コロナウィルスの感染者と死者数は他の先進国のそれよりもはるかに少ない状況です。
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上記の例からも分かるように、
アメリカは「継続的な経済成長」と引き換えに「弱者の保護」を犠牲にしているのが実状であり、攻めを重視しすぎるあまりに守りが手薄になりすぎている国であると評価できます。
日本は守りを重視している国であり、守りを優先して弱者の保護に多くのリソースを割いていてもなお、世界第三位の経済大国であり続けていることに驚嘆すべきかもしれません。
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