王族・貴族・騎士・平民・盗賊、剣・魔法・魔導書・錬金術・邪教徒・モンスター…アニメやゲームに触れていると、やたら出くわすことが多い「異世界ファンタジー」。中世ヨーロッパ的な社会や風景をベースにして、だいたいが似た特徴をもつ世界観で統一されています。
創作分野において、なぜ異世界ファンタジーは高人気なのか?その謎を調査したので、分かったことを報告します。
似た世界観の異世界ファンタジーが流行し続ける理由
「剣」や「魔法」や「魔王」といった人気要素を出しやすい
ライトノベルやゲームのメインの購買層が好きな要素は、「剣」「魔法」「モンスター」「魔王」「勇者」「王家の血筋」などなど。
これらの要素を、ごく自然に物語にからめることができるジャンルは、魔法などの不可思議要素があるファンタジーの分野である。
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作品の人気を得ようと思ったら、購買層にウケる要素をたくさん盛り込むことは不可欠であり、自然にたくさん盛り込めるファンタジーの分野が作り手に選択されることが多くなる。
ファンタジー作品は前例がたくさんあるので、参考資料が豊富
「指輪物語」「ロードス島戦記」を筆頭にして、ファンタジー作品は小説・漫画・ゲーム・アニメなど多方面で数々の名作が創られてきた。
それらの前例を参考にすれば、魔法や物語のテーマのような、ファンタジー作品を書くための要素はどんどん吸収していくことができる。
ファンタジー分野は参考資料が非常に豊富なので、それらの人気作品をいくつか読みさえすれば、誰でも、それっぽいファンタジー作品を書くことできる。
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この敷居の低さのおかげで、ファンタジー作品は創作者に好まれやすくなる。
ファンタジー作品なら、細かい検証作業は不要なので楽
たとえば、「時代小説」を書こうとすると、その当時の文化・日用品・社会制度を文献で細かく調査する必要がある。その当時には無かった道具・制度を出すことは許されない。普通の物書きにとっては、大変で神経質な執筆作業となるので、時代小説は避けられやすくなる。
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しかし、ファンタジー小説ならば、どのような文化や制度や世界の仕組みを出そうと、原則的に作者の自由。そういう点では、ファンタジー小説は他の小説分野よりも検証作業が圧倒的に少なくて楽だ。
「異世界ファンタジー」という分野の解説
「異世界ファンタジー」はハイ・ファンタジー(High Fantasy)に分類される。
ハイ・ファンタジーとは、私たちが暮らしている地球とは別の世界(=異世界)で物語が展開するタイプのファンタジー作品。
ロー・ファンタジーとは、私たちが暮らしている地球世界を舞台にして、そこに魔法や魔物のような不可思議要素が加わるタイプのファンタジー作品。
平均的な異世界ファンタジーモノによくある設定
- 完全にその人間の才能に依存して、使える人間と使えない人間に分かれるパターン
- 誰でも、修練次第で使えるようになるパターン
- 知能がある種族は、人間一種に限定されるパターン
- エルフ・ドワーフ・獣人のような種族も、人間と同じように高い知能をもつパターン
- 神霊・天使・悪魔のような、人間のような種族よりも上位の存在がいるパターン
- 王政であるパターン。貴族のような特権階級もいて、身分制度があることも多い
- 村社会のように、村長がいるだけで、しっかりとした政治体系が敷かれていないパターン
- 王国によって編成された騎士団があるパターン
- 農耕や牧畜がメインであるパターン
- 他国との貿易や、鍛冶、アイテム販売、料理屋など産業がかなり発達しているパターン
- ギルドのような、仕事を請け負う組合が存在しているパターン
「小説家になろう」や小説の新人賞投稿で異世界ファンタジーモノが頻繁に書かれる理由
- ファンタジーだと、種族とか物語のスタイルがすでに確立している。テンプレの各種部品を自分で入れ替えるだけで良いので、楽。
- ロードス島戦記や指輪物語みたいな、異世界ファンタジー作品のお手本をなぞるだけで自分もファンタジー作品を書けるので、難易度が低い
- 多少、不合理・不条理なことでも、「ファンタジーだから何でもアリだよね!」で済ますことができるから
- ファンタジーの分野でも「ネトゲ」を題材にしたものは、ネトゲ・ドラクエ・FFを遊んでいるだけで小説を書くことができる。古典のファンタジー小説を読む必要すらない。
そして、作中設定の不自然な部分は「ゲームの仕様だから」と言って逃げることができる。 - 「ファンタジー=青少年の青春」として昔からずっと扱われ続けている。日本のライトノベルに限らず、海外の青春小説にもファンタジーを題材にしたものは多いし、児童文学でもファンタジーモノばかり
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