普通のインフレとは違う「悪性インフレ」の種類と、悪性インフレの原因を解説します。
「悪性インフレ」の、2つの種類
1「ハイパーインフレ」
- 「インフレ率が、前月比50%超の状況が継続すること」がハイパーインフレとされていて、悪性インフレ=ハイパーインフレと定義されることが多い
- ただし、
ハイパーインフレは「戦争後の混乱期」「極度の悪政による経済混乱」などのごく限られた状況でしか発生しないため、歴史上でハイパーインフレはめったに起こらない
- ただし、
本項目の具体例:ジンバブエのハイパーインフレ(2000-2009年)
- ジンバブエから外国企業が次々と撤退して、深刻な物不足におちいったこと
- 安直なインフレ対策の政策が、国内企業の大量倒産を引き起こし、物不足に拍車がかかる
- 上記のリストの事情が組み合わさった結果、国内が極めて深刻な物不足状態におちいり、異常なインフレ率が年単位で続いた
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2「急速なインフレによって、物価高で国民の生活が苦しくなってしまうこと」
- 急速なインフレ(前年同月比で2%を超える、4%や6%や8%のような数字のインフレのこと)のせいで、物価高(物の値段の高いこと)で国民達が困窮するというタイプの悪性インフレ
- このタイプのインフレは比較的起こりやすいため、国民にとっては悪性インフレはこちらの方がなじみ深い
- 前年同月比で2%代のインフレ率は、良好な経済拡大をもたらすため良性のインフレとされている
本項目のタイプの悪性インフレが発生する、主な原因
- 何らかの事情で「石油や天然ガスなどのエネルギー」「小麦や食肉などの食糧」の『供給』が減り、需要に追いつかない
- エネルギーや食糧は国民の生活コストの大きな割合を占めているため、これらが値上がりすると国自体のインフレが急激に進んでしまう
- 何らかの事情で世界中で商品・サービスの需要が急上昇し、そのせいで供給が追いつかない
- 何らかの事情で大口の供給元が利用不可能になり、代替先を確定させるまでの間、供給状況に混乱が起きているせいで需要量に供給量が追いつかない
- 過大な「金融緩和」「国民への補助金のばらまき」などにより、市場が金余り状態になっているせいで急増した需要量に供給量が追いつかない
「悪性インフレ」を退治する方法
中央銀行による「利上げ(政策金利を引き上げること)」
- 中央銀行(日本の日本銀行・アメリカの連邦準備制度・イギリスのイングランド銀行など)が基準金利を引き上げることが、インフレ率の低下をもたらす
- 中央銀行の貸し出し金利(これが上記の基準金利)を引き上げると、
市中銀行・企業・個人は金利が高いせいでお金を借りにくくなり、お金の流通量が低下し(お金が少ないので需要が低下する)、そのことによって加熱していた景気が冷まされ、インフレがおさまるから
- 中央銀行の貸し出し金利(これが上記の基準金利)を引き上げると、
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「供給」の拡大化・安定化を推し進める
- 「石油や天然ガスなどのエネルギー」「小麦や食肉などの食糧」などのインフレの大きな要因になっているモノの供給量を増やすことで、悪性インフレに対応する
- 一例として、海外からの輸入量を増大させることで供給の拡大化・安定化を達成することを目指す
- 悪性インフレの根本的原因は「需要が大きすぎること」であるため、
需要を低下させる働きをする本記事の中央銀行による「利上げ(政策金利を引き上げること)」の項目をメインに実行し、それに併せて供給の拡大化・安定化を進めていく
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