他者に反抗的で暴力的な態度を取ってしまう障害「反抗挑戦性障害」と、反抗挑戦性障害と発達障害の一種・ADHDの密接な関係について調査したので分かったことを報告します。
「反抗挑戦性障害」の症状
主に9歳~思春期前後の児童期に見られる、怒りっぽくて他者に反抗的で挑戦的な態度を取りやすくなる精神障害のことです。
- 怒りっぽい性格であり、すぐにかんしゃくを起こす
- 怒りに駆られて、他者へ暴力を振るうことがある
- 目上の人物達に対して、挑戦的で反抗的な態度を取りやすい
- 意地悪な言動が目立ち、他者をいら立たせることを故意に行う
- その場の規則・ルール・慣習に反抗しようとする不服従な言動
- 執念深い性格
「反抗挑戦性障害」の症状による、その人の生活への影響
- 容易に他者に暴力を振るうようになるので、
そのせいで他者に危害が及ぶようになったり、反抗挑戦性障害を抱える人に犯罪歴が付きやすくなってしまう - 他者を害する言動のせいで人間関係で孤立しやすく、自己の人生に対して悲観的になりやすくなる
- 仕事の勤務先で上司・同僚・顧客に対してキレやすくなるため、解雇されやすくなってしまう
- 物事が上手く行かないと、かんしゃくを起こして手元の道具・物品を衝動的に壊しやすいため、金銭的な損害が起きやすくなる
「反抗挑戦性障害」の原因
2019年の時点では、反抗挑戦性障害の医学的な原因は不明であり、原因の仮説しかありません。
「環境」が原因で反抗挑戦性障害を発症するという仮説
- 家庭内で、親からネグレクト(育児放棄)を受けること
- 両親が離婚した後の再婚や、死別などが原因で親が居ないせいで親戚の間をたらいまわしにされたことなどで、育ての親が次々と変わること
といった家庭環境の人に反抗挑戦性障害を抱えている人が多く見受けられるため、反抗挑戦性障害の原因の仮説となっています。
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「その人間の生まれつきの気質」が原因で反抗挑戦性障害を発症するという仮説
- 「各種の欲求不満を我慢すること」の能力が低く、こらえ性が無い気質
- 過度に感情的な気質
これらの気質を生まれつき抱えている人は、反抗挑戦性障害を発症する可能性が高くなると考えられます。
反抗挑戦性障害と、「発達障害のADHD」との関係
発達障害の一種「ADHD(注意欠陥・多動性障害)」を抱えている人達が、
二次障害(発達障害自体の症状とは別に、周囲の無理解や症状による心身への副次的な作用のせいで二次的に起こる障害のこと)として発症しやすいものの1つが
「反抗挑戦性障害」
と言われています。
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ADHDを抱えている人の約4割が、反抗挑戦性障害を発症すると言われています。
ADHDを抱えている人が、反抗挑戦性障害を発症しやすい理由
ADHDの主な症状である、
- 非常に衝動性が高く、その場にじっとしていることが困難
- 衝動性が高いせいで思った事を反射的に口にしてしまうことが多く、他者の気分を害することが多い
- 物忘れが激しい
- 期限までに、計画的に課題をクリアすることが困難
- 遅刻が多い
などを、両親や教師やクラスメイトなどに繰り返し非難・叱責されるうちに、
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他者への反抗心・反発心を抱きやすくなるため。
年齢別の、発達障害を抱えていることに気付くきっかけになる行動
「ADHDを抱えている」→二次障害として「反抗挑戦性障害」を発症する→さらに「行為障害(conduct disorder、略してCD、攻撃的で反社会的な行動が継続している状態)」を発症する
という一般的な流れは、「DBDマーチ」と名付けられています。
DBDマーチのDBDは「destructive behavior disorder(破壊的行動障害)」が語源で、
マーチは「行進」という意味の英語です。
反抗挑戦性障害から派生する障害は行為障害だけでなく、「不安障害(行き過ぎた不安を感じるようになっている状態)」であるパターンもあり、
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不安障害は「うつ病」へと移行しやすい性質があるので、
反抗挑戦性障害を抱えている人は、行為障害・不安障害へと発展しないように厳重な注意が必要です。
「反抗挑戦性障害」の治療方法
- 医師の指導にもとづいた「ペアレント・トレーニング」
- 反抗挑戦性障害や発達障害や自閉症などをもつ子どもの両親が、親としての役割を引き受け入れられるように訓練し、そのことで子と親の関係を修復すること
- 反抗挑戦性障害を抱える子どもが生活・成長していくための「育児支援」
- 発達障害の一種・ADHDが原因で反抗挑戦性障害が引き起こされている場合は、
医師から処方される「コンサータ」「ストラテラ」といった薬剤でADHDの症状を抑えることで、反抗挑戦性障害を克服する
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